なごみクラブ

ひさーしぶりに漫画のレビュー。
この9月に怒涛の3作品（4冊）同日発売となった遠藤淑子さんの漫画のうちの1冊です。
漫画はなるべく増やすまいと思って買わずにいたんですが、読んだ方の感想をウェブで読んだら我慢できなくなりました（＾＾；）。

タイトルにもなっている「なごみクラブ」とは、会員制ホストクラブの名前。
そこからすでに遠藤節です。なんか老婦人ばかりが集まっているお達者クラブかよ、という名前です。
（むかし勤めていた病院の病院食の中にあった「和み食」というのは80歳以上の高齢患者さん向けに用意されたメニューでした）

なごみクラブとは名前の通り、お客様になごんでいただくためのクラブ。
もちろんホストクラブなのでそれっぽい外見のホストたちが女性たちを迎えてくれます。
「ドンペリなども市価より少々高いだけ」で提供されていますし、お客はみんな女性だし、ちゃんとホストクラブなのです。

でも遠藤漫画ですから（笑）。
お客さんに説教するホストやら、物腰は柔らかいけど時々シビアなマスターやら、皆さんいい味出してます。

店内にちょろっと顔を出したネズミにまで同情しちゃうホストたち。
マスターだけは冷静で「営業停止になっちゃ困るでしょ」と駆除しようとします。
するとホストたちは店内に出なけりゃ駆除しないんだろ、という意気込みで掃除をしたりしてしまうのですよ。

そんなお人よしのホストたちですので、「客単価がホストクラブとしてはありえねえくらい低い」なごみクラブ。
お客は皆さんほっとする時間を過ごすことができます。
こんなクラブが実在したら通ってしまいそうです、自分。（とは言え、独身だったら、かな？）
なんとなくお酒もいいのを揃えてそうですしね。

マスターがまたいい味出してましてねー。メガネかけて髪セットしたらグラハムさん（マダムとミスター）だろ、みたいな感じ。
穏やかで冷静で優しげなんだけど時々シビアで、でもやっぱり根っこはめちゃめちゃお人よし、みたいな。
とはいえグラハムさんよりマスターのほうがお人よし度は高そうですが。グラハムさんは身内を守るためならそうとう冷酷になれる人ですからねー。

また、遠藤漫画の最大の魅力であるセリフの掛け合いも健在です。
ネズミ話のマスターのツッコミがじわじわ効きます。出張サラリーマンって（笑）。

ぜひとも和みたい淑女の皆様、なごみクラブ、お勧めですよ。（掲載雑誌がまんがライフオリジナルなので雑誌読者は男性のほうが多そうですが）